訪れ
どうも、僕です。
建物と建物の隙間を狙ったように朝の陽射しが突き抜ける。
春の暖かさを感じながらも、等間隔で訪れる日陰はまだ肌寒い。
わたしは携帯電話を手に取り、メールを確認した。
なんの連絡もない。
しょっぱい顔をして上を見上げるととてつもなく大きな飛行船が旋回しているところだった。
今の自分にできることは正直なにもないことにもどかしさと苛立ちを感じていた。
ただ待つしかなかった。
仕事上の立場などただの建前にすぎない。
わたしはひとりの男として試されているのだ。
今後のわたしの人生にも大きく左右するだろう。
わたしは走り続ける。
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